名称:ダックスクビナガハナジカ
特徴:
首と鼻が長く、足が短いキリン。樹木の果実をとるため首が長くなったのだが、環境の変化により果実が減少。
かわりに背の低い植物を食べるため鼻が長く伸びた。しかしさらに環境が変化。穴の中のキノコを食べるため、足が短くなった。
発掘される化石の体型から、地層の年代・周囲の環境が判別できるため研究者に非常に重宝される。
なお、当動物園のロゴマークはこのダックスクビナガハナジカがモデルである。
食事中。キノコに行き着く為、姿かたちに紆余曲折があったのだ。
名称:キキミミウサギ
特徴:
耳が非常に長く発達したウサギ。16世紀頃、原産国オランダから数羽輸入されたがオランダでは絶滅。日本で細々と種の存続を守ってきた。
聴覚が非常に発達しているため逃走能力に優れ、かつて繁栄していた時代でも森で見かけることは稀有だったという。
欧米ではウサギの足がお守りとして使われてきたが、これはキキミミウサギの自己防衛能力の高さにあやかったものである。
キキミミを立てるキキミミウサギ。身の危険をだれよりも早く察知する。
名称:コーヒー乳牛(モカブルマン種)/イチゴ乳牛(ストロベリ種)/バナナ乳牛(カワスベリ種)
特徴:
それぞれコーヒー牛乳、イチゴ牛乳、バナナ牛乳を出す品種の牛。
原種はドイツのライン地方に由来し、ホルスタイン種とも共通しているが、
約2世紀半に渡る独自の品種改良を重ねた結果、コーヒー乳牛(モカブルマン種)は1882年に別種として登録。
イチゴ乳牛(ストロベリ種)は1908年、バナナ乳牛(カワスベリ種)はやや遅れて1934年に登録されている。
ミルクの味が混ざるので、通常これらの種では交配が禁止になっている。
現在、亜種のフルーツ牛(Fruit Cattle)が畜産研究されているが、
ミルクの味が安定しないため、未だ認可には到っていない。
一般的な乳牛と比較すると生産量は少ないが、その希少性から各ミルクの人気はいずれも高い。
一方でストレスに弱いため飼育が難しく、おいしいミルクを取るには高い技術と、愛情を持った世話が欠かせない。
近年、起源は古代中国の学者「鬱詩子(うっしっし)」が広めた「新奇乳牛」に遡るという説が出され、
学会で論議を呼んでいる。(出典:愛礼夢書房刊『おかしな餌はモウ沢山』より)
ストロベリ種(左)とカワスベリ種の子牛
名称:ウマジカ
特徴:
極端に馬面(うまづら)な鹿。一見馬のように見えるが実はシカ科に属する。
他を圧倒するほどの「巨大な顔面部」と「頭部にある不釣合いに立派なたてがみ」により醸し出される、
間の抜けた表情で子供たちを虜にしている。特にオスは顔が大きく、発情期には顔の大きさをたてがみでさらに大きくし、
メスを惹き付ける。その愛嬌の源泉となっている大きな顔は常に地面に接しており、ひたすら草を食む。
一日に体重の60%に相当する量の草を食べている。
いななく灰色の毛並みのウマジカ
名称:ハンドスタンドアンテロープ
特徴:
前肢による二足歩行を行うインパラ。肉食動物から逃げる際、勢い余ってつんのめり、前脚だけで走ったところ、
意外に早かったため前肢だけで走る事に特化して進化したものと思われる。異様に発達した前肢は、長さ3mにも達する。
反対に後ろ脚は退化し、バランスを取るために常に上へ向けて上げた格好となっている。
群れをなすハンドスタンドアンテロープ
異様に発達した肢は3mに達する
名称:ヒツジモドキオオカミ
特徴:
一見ヒツジの様に見えるがれっきとしたオオカミ。
北半球に広く分布するタイリクオオカミの一種。その外見でヒツジの群れに紛れ込み奇襲する。
なお、紛れ込む際はオオカミの臭いを消すため沼地などで入念に入浴。細かい所作までヒツジそっくりに振舞う。
別名を「羊の皮を被った狼」。同属の近縁種として「ネコヲカブッタオオカミ」がいる。
豹変するヒツジモドキオオカミ
名称:プレーリーポム
特徴:
北アメリカ中央部、中層平原西側に棲むマルネズミの一種。
手足が退化した丸い形をしており、風に飛ばされて転がりながら移動する。
集団で生活するため、群れで移動する際には辺り一面ボールで敷き詰めたようになり、
バッファローが踏みつけて転倒することもある。
普段は穴の中に住んでおり、敵が近づくとすばやく転がり落ちるように入っていく。
しかし、巣穴から出る時は短い手足を駆使して時間をかけて出てくる。
群れで移動するプレーリーポム
手足が退化し、丸い形をしている
名称:レイズィレオ
特徴:
極端に長い胴部を持つライオンの仲間。
ヘビのように身体の表面にある毛を駆使して移動することができる。
他のライオン種とは違い、主に単独で行動する。
狩りの際は主に地面に寝そべり、長い胴体に他の草原の動物がつまづくのを待って捕食する。
狩りのシーン。胴体につまづかせ捕食する
名称:ワニカメ
特徴:
一見ワニに似ているが、実はカメの仲間。巨大な口と丸い甲羅を持つ。手足は顎を支えるため顎の下にまで移動している。
更に胴体の殆どは固い甲羅の中にしまわれ、尾は体の下へと丸まっている。
口を開けて川の水を魚ごと捕食し、歯の隙間から水を出す。泳ぐことは少なく、よく河口付近で甲羅を出して岩に擬態している。
珍しく泳いでいるワニカメ
名称:麒麟
特徴:
アフリカに住むキリンとは全くの別種。体形は鹿に似ているが、蹄の形状からウマの仲間とされる。
成獣は背丈が5メートルほどにもなり、最大のウマ科動物である。
その巨体からこれと言った天敵が存在せず、昔はアジア全体に広く分布していたが乱獲が進み、
20世紀初頭には絶滅したものとされていたが、2006年8月に東京都江戸川区内で偶然捕獲され、当園に保護された。
希少動物に指定されている。性質は大人しく、徹底したベジタリアン。古い文献ではオスを麒、メスを麟と呼んだ。
(現在ではこのような使い分けはない)
雄は頭部に1本の角を持つ。角には放電機能があり、求愛の場面では近づいてきたメスを文字通りシビれさせたり、
悪い奴らを懲らしめる能力を持っているが普段はとてもおとなしく、足元の虫や植物を踏まないように配慮して歩く。
異常なほどの長寿で、動物学者ミートンの観察では1000年間生存していたことが記録として残っている。
(ミートンは生後間もない麒麟を保護し、その発育や習性そして寿命を全うして世を去るまでの詳細な記録を残した。
「ミートン動物記」より)
メスをしびれさせ、交尾する麒麟
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